Nature ハイライト

進化:違う歩き方をしていたヒト族の仲間たち

Nature 483, 7391

新たに発見されたヒト族の足の部分的な骨格。
新たに発見されたヒト族の足の部分的な骨格。 | 拡大する

Credit : © The Cleveland Museum of Natural History. Photo courtesy: Yohannes Haile-Selassie

最近エチオピアで発掘された340万年前のヒト族の足の部分的な骨格が、興味深い難問を投げかけている。その年代のヒト族としてこれまで知られていたのは、「ルーシー」という名の化石標本に代表されるアウストラロピテクス・アファレンシスのみであり、このヒト族種は完全な二足歩行で、足の形は基本的に現生人類と同じだった。ところが、今回の新たな足の標本には、対向可能な母趾を示す証拠が認められた。これは、現生類人猿や、アファレンシスより100万年古い時代のアルディピテクス・ラミドゥスというヒト族のほうに近い特徴である。この新発見は、300〜400万年前の鮮新世には歩行様式の異なる複数種のヒト族が共存していたことを示唆している。

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