Nature ハイライト

生態学:温暖化は栄養段階間のエネルギー転換を減少させる

Nature 592, 7852

自然生態系では、資源から消費者へのエネルギー転換の効率が食物網の生物量構造を決定している。一般に、ある栄養段階で生産されたエネルギーのうち約10%が次の栄養段階へと移行する。環境の温暖化がエネルギー転換効率に影響を与えるのかどうかは明らかにされていない。今回G Yvon-Durocherたちは、エネルギー転換効率の代理指標として窒素転換効率を用い、7年にわたり実験的な温暖化にさらされてきた人工池の淡水プランクトン群集において、温暖化の影響を調べた。その結果、温暖化によってエネルギー転換効率が最大56%低下することが分かった。また、温度を高くした池では植物プランクトンと動物プランクトンの両方の生物量が減少しており、これはエネルギー転換効率の低下が生物量ピラミッドを変化させていることと一致する。

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