Nature ハイライト

コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株はウイルス複製を増強する

Nature 592, 7852

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が進行する中で収集された数千の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の塩基配列解析から、COVID-19のアウトブレイク(集団発生)の開始以降、スパイク遺伝子中のD614G変異が優勢になってきたことが明らかになっている。この変異は、ウイルスの伝播性を高める可能性が示唆されている。P Shiたちは今回、SARS-CoV-2ウイルス株にD614G変異を導入し、in vitroおよびハムスターモデルにおいて、この変異のウイルス複製への影響を調べた。その結果、D614G変異はウイルスの複製を増強するようであり、G614変異を持つウイルス株を感染させたハムスターでは、鼻腔洗浄液や気管中の感染力価が高まっていることが明らかになった。

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