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生態学:長期の野外実験での温暖化による栄養転換効率の低下
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03352-2
生態系では、資源から消費者へのエネルギー転換効率が食物網の生物量構造を決定している。一般に、ある栄養段階で生産されたエネルギーのうち約10%が次の栄養段階へと移行する。最近の説では、温度の上昇で代謝的な成長コストが増大するとすれば、このエネルギー転換はさらに制約される可能性があると示唆されているが、生態系全体での実験的な裏付けは得られていない。今回我々は、7年にわたり実験的な温暖化にさらされた人工池の淡水プランクトンにおいて、全体的なエネルギー転換の代理指標である窒素転換効率を定量した。その結果、周囲の条件と比較して4°Cの温暖化が、栄養転換効率を最大56%低下させ得ることを示す直接的な実験証拠が得られた。また、温度を高くした池では、植物プランクトンと動物プランクトンの両方の生物量が減少していることが分かった。これは、エネルギーの取り込み、変換、転換が大きく変化していることを示している。これらの知見は、さまざまなタクソンにわたって観測されている、個体レベルの成長コストの変化および炭素利用効率の温暖化に駆動される変化と、生態系レベルでの総一次生産量に対する総呼吸量の比の上昇との折り合いをつけるものである。今回の結果は、地球温暖化に伴い、光合成で固定された炭素が大気中に失われる割合が高くなって、食物連鎖を介したエネルギーの流れが損なわれることを示唆しており、これによって大型の消費者および生態系全体の機能に悪影響が及ぶと考えられる。

