Nature ハイライト

流体力学:固体壁を用いずに流れを導く

Nature 581, 7806

液体をチャネルに流すには、一般に固体壁を使用する必要がある。しかし、液体相と固体相の相互作用は、達成可能な流量を制限する可能性があるとともに、汚染の影響を受けやすくするため、好ましくないことがある。今回P DunneとT Hermansたちは、固体チャネルを全く用いずに、液体をチャネルに流して制御する新しい方法を報告している。彼らは、磁場を用いて非混和性磁性流体内の水性液体チャネルを安定化させる方法と、磁性部品を追加してポンプ効果を誘起することでチャネル内の流体流を駆動する方法を示している。今回の方法は、扱いに注意が必要な流体の輸送に応用される可能性があり、その例として、従来の蠕動ポンプよりも細胞損傷を大幅に抑制しながらヒトの血液を輸送する方法が示されている。

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