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流体力学:固体壁を用いない液体の流動と制御

Nature 581, 7806 doi: 10.1038/s41586-020-2254-4

流体回路を小型化する際は、流体チャネルの固体壁がますます重要になる。固体壁は、所与の圧力降下で実現できる流量を制限するとともに、汚れやすいからである。壁との相互作用を減らす方法としては、疎水性コーティング、液体を含侵させた多孔性表面、ナノ粒子界面活性剤ジャミング、表面電子構造の変化、エレクトロウェッティング、表面張力によるピン止め、原子レベルで平坦なチャネルの使用などがある。さらに良い解決策は、固体壁の使用を完全に回避することかもしれない。固体壁の使用回避は液滴マイクロ流体工学やシース流によって達成されるが、これらの方法では中央の液体と周囲の液体を連続的に流す必要がある。今回我々は、水性液体チャネルを非混和性磁性液体で囲み、四重極磁場で両方の液体を安定化させる方法を実証する。この方法によって、自己修復性、無閉塞性、防汚性を有するほぼ摩擦のない液中液(liquid-in-liquid)型流体チャネルが形成される。磁場を操作することで、バルブ操作、分流、合流、ポンプ操作などの流れ制御が可能になる。ポンプ操作は、液体チャネルと物理的に接触していない永久磁石を動かすことによって達成される。我々は、このマグネトスタルティック(magnetostaltic)ポンプ法を用いて、せん断力に起因する損傷をほとんど生じさせることなく、ヒト全血を輸送できることを示す。溶血(血球の破壊)は、プラスチックチューブを通して血液を機械的に圧迫する従来の蠕動(peristaltic)ポンプと比較して1桁減少した。今回の液中液型の方法は、特にチャネルをマイクロメートルスケールまで小型化する際、扱いに注意を要する液体を高い圧力をかけずに輸送する新しい方法をもたらすとともに、マイクロ流体回路にも使用できる可能性がある。

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