Research Abstract

ハイスループット1細胞育種のための全自動システム

An automated system for high-throughput single cell-based breeding

2013年2月1日 Scientific Reports 3 : 1191 doi: 10.1038/srep01191

再生医療およびさまざまな生物製剤の製造で実際に細胞を使用する目的で、細胞ライブラリーに含まれる無数の細胞から最も好ましい性質を有する細胞を樹立する場合、同じ遺伝的背景を有する細胞集団にしばしば認められる細胞の不均質性が、クローン培養細胞の純化の足かせとなる。本論文では、全自動の非破壊的な1細胞分析・単離装置により、細胞ライブラリーから最も適切な細胞をハイスループットで選別し、単離された細胞を増殖させるという方法を紹介する。この方法は、多能性マーカーRex1を最も大量に発現する胚性幹細胞や、抗体を最も大量に分泌するハイブリドーマなど、従来のハイスループット細胞スクリーニング法(FACS;蛍光活性化セルソーターなど)では不可能であった最も適切な細胞の樹立を可能とした。この1細胞育種法は、推計学的変動を分析し、その分子機構を明らかにするための強力なツールとなる可能性がある。

良元 伸男1, 2, 木田 晶子1, Xu Jie3, 黒川 正也4, 飯嶋 益巳1, 新美 友章1, Andre´s D. Maturana1, 二階堂 愛5, 上田 泰己5, 立松 健司2, 谷澤 克行2, 近藤 昭彦6, 藤井 郁雄7 & 黒田 俊一1, 2

  1. 名古屋大学 大学院生命農学研究科 生命技術科学 産業生命工学研究室
  2. 大阪大学 産業科学研究所 生体触媒科学研究分野
  3. 古河電気工業株式会社
  4. スターライト工業株式会社
  5. 独立行政法人 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 機能ゲノミクスユニット
  6. 神戸大学大学院 自然科学研究科
  7. 大阪府立大学大学院 理学系研究科

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