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細菌ゲノムの生合成経路に関わる新規性を創薬に利用する戦略

Nature Reviews Drug Discovery 21, 5 doi: 10.1038/s41573-022-00414-6

細菌は、新しいクラスの抗生物質や抗がん剤のような、治療に応用できる可能性のある天然物の豊富な資源となる。創薬を目的とした、細菌抽出物の生理活性に基づくスクリーニングおよび生合成経路の特性評価は、現在では大規模な(メタ)ゲノムコレクションを利用できることによって補完されており、研究者はポストゲノムのビッグデータの時代に置かれている。次世代塩基配列解読技術の進歩と強力な計算ツールの増加により、未探究の分類群や生態学的ニッチ、および「生合成の暗黒物質」についての前例のない知見が得られ、これまで研究されていなかった細菌の、多様で、これまでのものとは化学的に異なる天然物が明らかになっている。本総説では、このような新規化学物質の資源と創薬に及ぼす影響について、特に最近登場した新規性を特定して利用するための戦略に焦点を合わせて考察する。

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