Perspective

新薬発見におけるシグナル伝達のバイアス化:検出、定量および治療への影

Nature Reviews Drug Discovery 12, 3 doi: 10.1038/nrd3954

7回膜貫通型受容体もしくはGタンパク質共役受容体(GPCR)としても知られる受容体のアゴニストは、これらの受容体が関与する全ての細胞内シグナル伝達経路を一様に活性化しないことが判明した。このような現象はリガンドバイアスもしくはアゴニストバイアスと呼ばれる。この発見によって、ハイスループットスクリーニングをどのようにデザインし、リード化合物の治療活性をどのように最適化するかという課題に変化が現れた。実験によってリガンドバイアスを検出するには、構造活性研究に役立ち、薬物候補を選ぶために使用できるアゴニストバイアスを定量化する手法の開発が必要となる。本稿では、細胞内シグナル伝達タンパク質がどのように7回膜貫通型受容体のコンフォメーションをコントロールするのかという考えに基づき、どのような方法がバイアスの定量に適切であるかという見解について述べる。また、バイアスを持つ分子がどのようにin vivoで作用し、どのような治療効果があるのかという予測的見解についても述べる。

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