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さまざまな疾患の潜在的治療標的としての自食作用の調節

Nature Reviews Drug Discovery 11, 9 doi: 10.1038/nrd3802

自食作用(オートファジー)はリソソームによる物質分解に至る不可欠な経路であり、進化の過程で保存されてきた。この経路がタンパク質の集合体や損傷した細胞小器官を除去することで細胞質の品質が管理されている。自食作用は、二重の膜に包まれた自食胞(オートファゴソーム)が細胞質の一部を飲み込むところから始まる。続いて、これらの小胞がリソソームと融合すると、自食胞の内容物が分解される。その生命の維持に必要な恒常性を保つ役割に加えて、この分解経路は、ヒトの代謝障害、神経変性疾患、がんおよび感染症を含むさまざまな疾患に関与している。本論文では、自食作用の機構および調節の概要、この経路が疾患において果たす役割、そして自食作用を調節する治療戦略について解説する。

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