Perspective
アルツハイマー病治療のための既存薬再開発
Nature Reviews Drug Discovery 11, 11 doi: 10.1038/nrd3869
既存のアルツハイマー病薬には12か月ほどの対症効果があるが、病態を改善する承認済みの薬剤はない。病態を改善する新しい薬剤の開発が臨床試験の段階で失敗したことを考えることもあり、ほかの適応症に使用が承認されている既存薬をベースに再開発する補助的な戦略に関心が持たれるようになっている。実際、前臨床段階の研究が行われた実在の化合物の中には、アルツハイマー病に似た脳の病理に有効な薬物がいくつか存在し、疫学データや前臨床試験によって有効性が裏付けられたものもある。本稿では、すでに報告されている論文を体系的に概観し、再開発の機会を公式に評価する。また、最適な用量を明らかにし、アルツハイマー病患者に臨床試験を行うかを検討する調査を続けるため、十分な裏付けのある化合物について述べる。