Review Article

治療標的としての細菌性タンパク質分解複合体

Nature Reviews Drug Discovery 11, 10 doi: 10.1038/nrd3846

タンパク質分解酵素は、高血圧、2型糖尿病、多発性骨髄腫、HIVやC型肝炎ウイルスによる感染症などの疾患の治療に有効な標的だと考えられてきた。このような酵素ファミリーは、薬理学的な取り扱いが容易で、また、抗生物質による耐性を抑える新しい薬剤の開発が急務な状況であることを考えると、タンパク質分解酵素には抗菌標的としての魅力もある。特に、細菌の細胞内に広く存在するタンパク質分解酵素は、細菌の成長や病原性の発現に不可欠である。本稿では、真核生物に存在するタンパク質分解酵素の役割について、新しいクラスの抗菌薬として、これらの酵素の特異的な治療モジュレーターを開発するにあたっての取り組みと関連する課題について焦点を当てながら述べる。

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