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リアルタイムフィードバック制御を用いた量子増強ab initio光位相推定
Nature Photonics 9, 9 doi: 10.1038/nphoton.2015.139
光位相推定は、極めて重要な測定方法であり、長さ、速度、変位などさまざまな物理量の精密測定に使われている。そうした測定の精度は、さまざまな異なる光学系で実証されているように、エンタングル状態やスクイーズド状態の光を使用することによって、大きく高めることができる。しかし、こうした報告の大半は、既知の位相の非常に小さな変化を測定するもので、初期位相が未知であるab initio位相推定とは全く対照的である。今回我々は、リアルタイムフィードバック制御に基づく、量子的に増強された完全に決定論的なab initio位相推定プロトコルの実現について報告する。我々は、光のロバストなスクイーズド状態とベイジアン適応的リアルタイム推定アルゴリズムを併用して、量子ショット雑音限界を超える精度で決定論的な位相推定を実証している。今回実証されたプロトコルによって、量子顕微鏡法、量子計測学、量子情報処理への新たな機会が開かれる。