Research Highlights

オプトエレクトロニクス:低次元ペロブスカイト

Nature Nanotechnology 2018, 718 doi: 10.1038/s41565-018-0214-z

二次元(2D)ルドルスデン–ポッパー型ハロゲン化物ペロブスカイト(RPP)が発見されたことで、ペロブスカイトオプトエレクトロニクスにはずみがついている。しかし、実用に向けて飛躍的な技術的進歩を可能にするには、光学共鳴の性質を含む多くの基本的な側面を早急によりよく理解する必要がある。今回Blanconたちは、層状RPPの厚さに依存する光学遷移を定量的に記述できるモデルを開発し、実験的に検証している。

まず著者たちは、ペロブスカイトの構成層の数を1層から5層まで変えて、磁気光吸収を低温で測定し、2D RPP結晶の励起子換算質量を導き出している。次に、このパラメーターを入力とし、誘電閉じ込めの影響を考慮に入れることで、薄い半導体の電子正孔クーロン相互作用を正確に記述する理論モデルが構築された。提案されたモデルによって、励起子基底状態の束縛エネルギーの理論解が得られ、厚さに依存する普遍的なスケーリング挙動の存在が示された。この基本的なパラメーターは、推定されたスケーリング則に基づいてどのようなペロブスカイト層数に対しても計算でき、ペロブスカイトオプトエレクトロニクスデバイスの動作に極めて重要である。

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