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ソフトロボティクス:パーキンソン病におけるすくみ足を防ぐための着用型ソフトロボット

Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02731-8

すくみ足(FoG)は、パーキンソン病において大きな問題となる歩行障害であり、歩行中に意図的でない停止を起こす。すくみ足の治療は効果がわずかで一過性であるため、有効な治療法がない。今回我々は、股関節の屈曲を増強する柔軟な着用型ソフトロボットを用いて、すくみ足の回避が可能であるという概念実証を示す。このウエアラブルな装置は、ケーブル駆動型のアクチュエーターとセンサーを使って、生体の筋肉と連携して補助的モーメントを生み出す。このn-of-1試験では、すくみ足がかなりよく見られる73歳のパーキンソン病男性で、6カ月にわたって5回の反復計測を行い、着用型ロボットに対してロバストな奏効が示された。屋内での歩行では、ロボットによる補助によってすくみ足は速やかに解消され(すくみに費やした時間は、補助なしの場合が39 ± 16%であるのに対し、補助がある場合は0%)、補助なしの場合と比べて歩行距離は49 ± 11 m(+ 55%)長くなり、歩行速度は速くなり(+ 0.18 m s−1)、歩行の質が改善した(歩行のばらつきが−25%)。すくみ足を標的とする効果は、複数日にわたり、さまざまな誘発条件や環境状況において再現性があることから、地域社会で使用できる可能性が示された。この研究は、パーキンソン病患者において、着用型ソフトロボットの使用によりすくみ足が回避されることを実証しており、この深刻だが満たされていないニーズに対処する技術的な進展を促すきっかけを与えている。

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