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白血病:再発または難治性の侵襲性の大細胞型B細胞リンパ腫に対するモスネツズマブとポラツズマブ ベドチンの併用療法 ─ 第1b/2相試験

Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02726-5

再発性/難治性で侵襲性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)は、依然としてニーズが満たされていない領域である。本論文で我々は、再発性/難治性LBCLを対象としたモスネツズマブ(CD20xCD3への二重特異性を持つ、T細胞に結合する抗体)と、ポラツズマブ ベドチン(抗CD79B抗体–薬物複合体)の併用療法について、外来患者における第1b/2相試験の主要解析を報告する。第2相試験は進行中の複数群試験のうちの単一群試験である。第2相用量拡大試験の主要評価項目は、独立審査委員会(IRC)の評価による最良の全奏効率である。副次評価項目には、治験責任医師の評価による全奏効率、完全奏効率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間が含まれる。症例登録終了時点で、120人の患者が登録された(用量漸増試験22人、用量拡大試験98人)。用量拡大試験において主要評価項目は達成され、IRC評価による最良の全奏効率は59.2%(98人中58人、95%信頼区間〔CI〕 48.8~69.0)、完全奏効率は45.9%(98人中45人、95%CI 35.8~56.3)であった(追跡調査期間の中央値は23.9カ月)。完全奏効期間の中央値は未達であった(95%CI 20.5~推定不能〔NE〕)。無増悪生存期間の中央値は11.4カ月であった(95%CI 6.2~18.7)。全生存期間の中央値は23.3カ月であった(95%CI 14.8~NE)。用量漸増試験および用量拡大試験では、最もよく見られたグレード3以上の有害事象は好中球減少症(25.0%、120人中30人)および倦怠感(6.7%、120人中8人)であった。患者の16.7%に、何らかのグレードのサイトカイン放出症候群が認められた。これらのデータは、モスネツズマブとポラツズマブ ベドチンの併用療法が、移植不適格の再発性/難治性LBCLに対する二次治療に適した、持続性の高い奏効と良好な安全性プロファイルを有していることを示すものである。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03671018。

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