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治療:リアルワールドコホートにおけるセマグルチドと自殺念慮リスクの関連

Nature Medicine 30, 1 doi: 10.1038/s41591-023-02672-2

セマグルチドは、2型糖尿病(T2DM)と肥満に用いられるグルカゴン様ペプチド1受容体(GLP1R)アゴニスト薬で、セマグルチド治療に関連した自殺念慮が報告されたことで懸念され、ヨーロッパでは規制機関による調査が行われることになった。今回のTriNetX Analytics Networkの電子健康記録を用いた後ろ向きコホート研究は、非GLP1Rアゴニストの抗肥満薬や抗糖尿病薬と比較して、セマグルチドと自殺念慮との関連性評価を目的とした。自殺念慮の発生と再発のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)は、傾向スコアをマッチさせた患者群との比較により、6カ月間の経過観察に対して計算された。研究対象の集団は、セマグルチドあるいは非GLP1Rアゴニストの抗肥満薬を処方された過体重あるいは肥満の患者24万618人であり、その結果はT2DM患者158万9855人でも再現された。過体重あるいは肥満の患者(平均年齢50.1歳、女性72.6%)において、セマグルチドによる抗肥満治療は非GLP1Rアゴニスト薬と比較して、自殺念慮の発生リスク(HR = 0.27、95%CI = 0.200.32~0.600.36)と、再発リスク(HR = 0.44、95%CI=0.32~0.60)のいずれも低く、これは性別、年齢、民族の層別化を通して一貫性があった。類似の結果は、T2DM患者(平均年齢57.5歳、女性49.2%)でも再現された。我々の結果は、非GLP1Rアゴニストの抗肥満薬や抗糖尿病薬と比較して、セマグルチドで自殺念慮リスクが高いことを支持しない。

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