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妊娠高血圧腎症:妊娠高血圧腎症の早期予測のための無細胞DNAメチローム解析

Nature Medicine 29, 9 doi: 10.1038/s41591-023-02510-5

妊娠高血圧腎症(PE)は、特に妊娠初期に発症した場合には、周産期の死亡・合併症の主要な原因である。PE予防を可能にするには、PEのリスクがある妊娠を、早い段階、すなわち妊娠第1三半期に識別しておく必要がある。リスクのある妊娠を判別するために、我々は498人の妊婦を対象に、血漿由来の無細胞DNAについてメチロームのプロファイリングを行った。これらの妊婦のおよそ3分の1が早期発症型PEを発症した。メチローム解析の結果、対照の正期産妊娠とPEを発症した妊娠におけるDNAメチル化の状態の違いが明らかになった。この違いにより、PE診断時や、PE発症前(妊娠12週前後〔9週から14週〕)におけるリスク層別化が可能であることが分かった。この妊娠第1三半期のリスク予測モデルを、外部コホート(2つの施設から収集)で検証し(曲線下面積〔AUC〕= 0.75)、さらに、日常の診療で用いられている、現行の母体のPEリスク要因評価モデルと統合した(AUC = 0.85)。この統合モデルによるリスクスコアは、特異度80%で早期発症型PE患者の72%を正しく予測した。上記の予備的な結果は、無細胞DNAのメチル化プロファイリングが発症前PEのリスク評価の有望なツールであり、産科クリニックにおける治療やフォローアップを改善する可能性があることを示唆している。

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