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がんスクリーニングへの精密医療の導入を臨床試験で評価する

Nature Medicine 29, 7 doi: 10.1038/s41591-023-02431-3

リスクベースのスクリーニングは過剰検出を減らす可能性があり、自己検査や新しい診断法は初期の段階でがんを発見できる。長い間、集団乳がん検診は年齢のみに基づいて行われてきたが、年齢以外のリスク因子に基づく個別化された方法をとることで検診が改善されつつある。画一的な前立腺がん検診は、近年、過剰検出が懸念されるようになり、前立腺特異抗原を採血のみで調べられるPSA検査をリスクに基づいた柔軟なスクリーニング間隔で行い、その結果によってMRI検査を実施することが推奨されるようになった。子宮頸がんと大腸がんでも検診プログラムは改善されており、乳がんでは細胞診であるPAP検査から特定のウイルスへの感染を調べるHPV検査へ、大腸がんでは大腸内視鏡検査から便免疫化学検査(FIT)へと進歩している。膵臓がんや卵巣がんなどの進行性のがんは早期発見のための信頼できる検査法がまだないが、リキッドバイオプシーの進歩によって、これらのがんを1つの血液検査で同時に検出することが将来は可能になるかもしれない。

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