Brief Communication

グリオーマ:迅速に行える無標識のオプティカルイメージングを用いて、人工知能によるびまん性グリオーマの分子分類を行う

Nature Medicine 29, 4 doi: 10.1038/s41591-023-02252-4

分子分類は、正確な予後予測と個別化治療を可能にすることで、脳腫瘍の管理を一変させた。しかし、脳腫瘍患者に対する適時の分子診断検査を行うには制限があり、その結果、外科的療法やアジュバント療法が難しくなったり、臨床試験への登録が障害されたりする。本研究では、人工知能ベースの迅速(90秒未満)な診断スクリーニングシステムであるDeepGliomaを開発し、びまん性グリオーマの分子診断を効率化した。DeepGliomaは、誘導ラマン組織学(SRH)のデータ、迅速に行えて無標識かつ試料を消費しないオプティカルイメージング法、大規模な公共ゲノムデータといったマルチモーダルなデータセットを用いて訓練された。我々はDeepGliomaが、リアルタイムSRH画像検査を受けた、びまん性グリオーマ患者の前向き多施設国際試験コホート(n = 153)において、世界保健機関が成人タイプのびまん性グリオーマ分類法と定義した分子変化(IDH変異、1p19q共欠失、ATRX変異)を予測でき、平均93.3 ± 1.6%という精度で分子分類を実現したことを示す。我々の結果は、びまん性グリオーマ患者の分子スクリーニングにおいて、ウェットラボ的手法を補助する迅速かつ拡張可能な方法として、人工知能と光学的組織学が利用できることを示している。

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