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乳がん:女性の同時性両側乳がんの進化と治療への応答

Nature Medicine 29, 3 doi: 10.1038/s41591-023-02216-8

同時性両側乳がん(sBBC)は、両方の乳房が同一の生殖細胞系列が持つ遺伝学的性質の影響を受け、また同一の環境曝露の影響を受けた後に生じる。sBBCでは免疫浸潤と治療への応答に関する証拠はほとんど得られていない。本論文では、腫瘍浸潤リンパ球(TIL、n = 277)のレベルと病理学的完全奏効(pCR)率(n = 140)に及ぼす乳がんサブタイプの影響は、対側腫瘍の乳がんサブタイプが一致するか、それとも不一致であるかによって異なることを示す。つまり、管腔型乳がんで、対側腫瘍のサブタイプが不一致の場合は、対側腫瘍サブタイプが一致する場合よりもTILレベルが高く、またpCR率が高い。腫瘍の塩基配列解読から、左右の腫瘍(n = 20)は、体細胞変異、コピー数変化、クローン系統に関して互いに無関係であるが、原発腫瘍と残存腫瘍は、体細胞変異とトランスクリプトームという観点の両方から密接に関連していることが明らかになった。我々の研究は、腫瘍に固有の特徴が腫瘍免疫とpCRの関連に役割を担っている可能性を示しており、また、対側腫瘍の特徴も免疫浸潤と治療応答に関連していることを実証している。

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