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心代謝性疾患:心代謝性疾患での一生にわたる薬剤使用パターンの遺伝的予測因子

Nature Medicine 29, 1 doi: 10.1038/s41591-022-02122-5

心代謝性疾患の予防に薬剤を使用する際の遺伝的決定因子についてはほとんど分かっていない。フィンランドの全国的な薬剤購入記録は1995年以降フォローアップが行われている。我々はこれを用いて、FinnGen研究の最大19万3933人(55%が女性)の参加者で高脂血症、高血圧、2型糖尿病での薬剤使用の長期的パターンについて、ゲノム規模関連解析を行った。FinnGen研究とエストニアバイオバンクおよび英国バイオバンクとを組み合わせた56万7671人に及ぶデータのメタ解析では、薬剤使用と関連のある333の独立した座位が見つかった(P < 5 × 10−9)。ファインマッピングによって、薬剤購入の総回数、薬剤の組み合わせの変更あるいは治療の中止に関連する494の95%信頼セット(95%CS)が明らかになり、これには基盤である治療標的との関連がこれまでに示されていない40座位中の46の信頼セットが含まれていた。心代謝性リスク因子に関する多遺伝子リスクスコア(PRS)は、薬剤使用行動と強く関連づけられた。薬剤使用データによって検出力が増強された複数形質冠動脈疾患PRSと、リスク因子を用いた複数形質冠動脈疾患PRSとを無関係な試料(英国バイオバンク、n = 34万3676)で比較すると性能は同等だった。まとめると、我々は心代謝性疾患のリスク座位を見つけるための薬剤使用をベースとする戦略を示しており、これにより心血管疾患を予防するためのゲノム規模の手段を提供する。

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