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結核:結核菌感染後の管理や疾患進行と関連するT細胞受容体レパトア

Nature Medicine 29, 1 doi: 10.1038/s41591-022-02110-9

抗原特異的でMHC拘束性のαβ T細胞は、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対する防御免疫に必要だが、これらの応答を網羅的に研究する方法は限られていた。今回の研究では、単一細胞とバルクのT細胞受容体(TCR)の塩基配列解読およびGLIPH2アルゴリズムを使って、結核症(n = 48)あるいは制御された感染状態(n = 118)のどちらかに進行したヒト型結核菌感染者166名からなる2つの長期コホートでヒト型結核菌特異的な配列を分析した。そして、TCR-β鎖の配列が類似している24のT細胞グループが見つかり、GLIPH2によって感染の制御と関連するよく見られるTCR特異性を持つもの(n = 17)と、これら以外で結核への進行と関連するTCR特異性を有するもの(n = 7)と予測された。ゲノム規模のヒト型結核菌抗原スクリーニングを用いて、病気を制御した患者もしくは病気が進行した患者を多く含むT細胞類似グループによって標的化されるペプチド類が明らかになった。感染の制御と関連づけられたT細胞類似グループによって認識される抗原は、将来的なワクチン開発のための優先度の高い標的になる可能性がある。

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