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COVID-19:二価SARS-CoV-2 mRNAワクチンはマウスで中和範囲を拡大し、BA.5オミクロン株から防御する

Nature Medicine 29, 1 doi: 10.1038/s41591-022-02092-8

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)オミクロン系統におけるバリアントの出現は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの有効性を低下させ、持続的な伝播をもたらした。本研究では、最近承認された2種類の二価COVID-19ワクチンの免疫原性および防御効果を評価した。これらは、Wuhan-1に加えて、BA.1(mRNA-1273.214)もしくはBA.4/5(mRNA-1273.222)というスパイクタンパク質のどちらかをコードする2つのmRNAを含んでいる。マウスでの最初の2回連続接種ではどちらの二価ワクチンも、親に当たる一価のmRNA-1273ワクチンよりも強力な中和抗体応答をオミクロン株バリアントに対して誘導した。mRNA-1273を使った初回ワクチン連続接種の7カ月後に、ブースターとしてマウスに投与された二価ワクチンは、広範囲にわたる中和抗体応答を誘導した。mRNA-1273、mRNA-1273.214およびmRNA-1273.222のブースター接種によって血清中に誘導された抗オミクロン受容体結合ドメインに対する抗体の大部分は、先祖株のWuhan-1スパイク抗原と交叉反応を示したが、mRNA-1273.214とmRNA-1273.222二価ワクチンによるブースター接種は、各々独自のBA.1特異的あるいはBA.4/5特異的な応答も誘導した。親ワクチン、あるいは二価mRNAワクチンでのブースター接種は2回のワクチン接種を受けたマウスと比べると、BA.5に対する防御を大幅に改善したが、肺での感染、炎症、病状のレベルが最も低かったのは、二価mRNAワクチンを接種されたマウスであった。従って、オミクロン株ベースの二価ワクチンであるmRNA-1273.214あるいはmRNA-1273.222を使ったブースター接種は免疫原性を増強し、現在流行中のSARS-CoV-2株に対してマウスに防御をもたらす。

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