Brief Communication

サル痘:2022年に多数の国で起こったサル痘ウイルス感染の集団発生の際のゲノム系統学的特性解析と微小進化の兆候

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01907-y

サル痘ウイルス(monkeypox virus:MPXV)感染について、非流行国(非エンデミック国)でこれまでに報告された中で最大の集団発生(アウトブレイク)が、2022年5月に確認された。ショットガンメタゲノミクスにより、最初のアウトブレイクのMPXVのゲノム塩基配列について、迅速な再構築とゲノム系統学的特徴付けを行うことが可能になり、このMPXVはクレード3に属していて、今回のアウトブレイクは単一起源である可能性が高いことが明らかになった。2022年のMPXV(B.1系統)は、流行国(エンデミック国)と結び付けられる2018年から2019年の症例とクラスターを形成したが、系統学的に異なる枝に分離しており、これは加速された連続的進化を反映している可能性が高い。詳細な変異解析では、ウイルス進化に宿主のAPOBEC3が作用していることに加えて、進行中の微小進化でMPXVがヒトに適応しつつあるらしい徴候が示唆された。また我々の知見は、ゆっくり進化すると考えられているこの二本鎖DNAウイルスの拡散と伝播の追跡に関して、ゲノム塩基配列解読が解決法となる可能性を示している。

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