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がん治療:変異と治療の相互作用についての、大規模なリアルワールド臨床ゲノミクスデータを用いた系統的ながん種横断的解析

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01873-5

特定の腫瘍変異を持つ患者でさまざまながん治療の有効性を定量化することは、患者の転帰改善と精密医療の進歩にとって重要である。今回我々は、電子健康記録から得られた詳細な変異プロファイル、治療経過と転帰が判明している米国のがん患者4万903人について大規模な計算解析を行った。8つの一般的なタイプのがんにわたって、特定の免疫療法、化学療法薬、あるいは標的療法を受けている患者の生存を予測する458の変異が系統的に突き止められた。さらに、標的療法の転帰に影響を及ぼす変異-変異間相互作用の特徴を明らかにした。この研究は、大規模なリアルワールドデータの計算解析が、考察や仮説をもたらし、また情報源となって、精密腫瘍学の実施を可能にする仕組みを示している。

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