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がん治療:小児固形がんで標的療法を行う好機を分子プロファイリングによって明らかにする

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01856-6

標的を決めた塩基配列解読パネル検査による腫瘍分子プロファイリング(MTP)を評価するために12施設で行われた前向き観察コホート研究には、頭蓋外固形腫瘍の小児患者が登録された。345人の患者からなるこの解析対象集団では、診断時の年齢中央値が12歳(0~27.5歳)であり、298人の患者(86%)が、治療に影響を及ぼす可能性のある1つ以上の変異を有していた。診断、予後、あるいは治療に重要なゲノム変化はそれぞれ、患者の61%、16%、65%で見られた。結果を返却した後、治療に影響があると判断された患者には、明確な診断分類がなされた17人と、見つかった変化にマッチする分子標的療法(MTT)の選択にMTPの結果が使用可能な240人が含まれていた。MTTを受けた29人の患者のうち、24%が客観的奏効、または持続的な臨床利益を経験した。これらの患者では、1人を除いた全員に対して、遺伝子融合とマッチする標的療法が行われた。また、209人の患者で見つかった診断に関わるバリアントのうち、77%が遺伝子融合だった。融合検出を含む標的化パネル検査を用いるMTPは、固形腫瘍の若齢患者に大きな臨床的影響がある。

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