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変形性関節症:変形性関節症での軟骨再生に対するアンジオポエチン様3誘導体LNA043の影響 ─ 無作為化第1相試験

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02059-9

変形性関節症(OA)はよく見られる衰弱性慢性疾患で、承認された疾患修飾薬はこれまでない。我々は、ヒト間葉系幹細胞での表現型スクリーニングを用いて、アンジオポエチン様3(angiopoietin-like 3:ANGPTL3)の誘導体であるLNA043が、強力な軟骨形成誘導因子であることを見いだした。本論文では、LNA043がin vitroで軟骨形成と軟骨マトリックス合成を促進すること、また、in vivoの前臨床OAモデルおよび軟骨損傷モデルではヒアリン関節軟骨を再生することを示す。LNA043は、このような影響の少なくとも一部を、フィブロネクチン受容体であるインテグリンα5β1への結合を介して間葉系幹細胞と軟骨細胞に及ぼしている。ヒトでの初回試験(第1相)である無作為化二重盲検プラセボ対照単回投与用量漸増単一施設試験(NCT02491281、スポンサーはノバルティスファーマ社)では、膝のOAの患者28人の膝関節内にLNA043あるいはプラセボ(3:1の割合)を、膝関節全置換術の2 時間前、7 日前または21日前のいずれかで投与した。LNA043は安全性についての主要評価項目を達成し、また、薬物動態では血清中に短時間検出され、軟骨浸透性であり、免疫原性はないことが分かった(副次評価項目)。軟骨の事後トランスクリプトミクスプロファイリングから、単回のLNA043注入によって、少なくとも21日にわたってOAのトランスクリプトームシグネチャーが回復すること、つまり、ヒアリン軟骨マトリックス成分と同化シグナル伝達経路の発現が誘導されるが、OA進行のメディエーターは抑制されることが示された。LNA043はOAの新規疾患修飾薬候補であり、現在、膝OA患者で第2b相試験(NCT04864392)が行われている。

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