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エリテマトーデス:難治性の全身性エリテマトーデスに対する抗CD19 CAR T細胞療法

Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-02017-5

全身性エリテマトーデス(SLE)は生命を脅かす自己免疫疾患で、適応免疫系の活性化、二本鎖DNA自己抗体の形成や臓器の炎症を特徴とする。年齢中央値22歳(年齢範囲は6歳)、罹病期間中央値4年(幅は8年)、活動性疾患〔SLE疾患活動性指標であるSLEDAI(Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index)中央値:16(幅は8)〕で複数の免疫抑制剤投与に不応性のSLE患者5名(女性4名、男性1名)が、コンパッショネート使用のキメラ抗原受容体(CAR)T細胞プログラムに登録された。SLE患者由来の自己T細胞にレンチウイルスを使った抗CD19 CARベクターで形質導入し増殖させてから、フルダラビンとシクロホスファミドによるリンパ球除去後に体重1kg当たり1 × 106個のCAR T細胞を患者へ再注入した。CAR T細胞はin vivoで増殖し、B細胞の顕著な枯渇を引き起こし、臨床症状の改善と抗二本鎖DNA自己抗体のセロコンバージョンなどの検査項目の正常化を誘導した。DORIS基準によるSLE寛解が、3か月後に5名の患者全員で達成され、3か月後のSLEDAIスコア中央値は0(範囲2)であった。薬剤なしでの寛解は、より長い追跡期間(CAR T細胞投与後中央値8か月間(幅12か月間)にわたって維持され、B細胞の再出現後も続き、CAR T細胞治療後平均(± s.d.)で110 ± 32日まで観察された。再出現したB細胞は抗原に曝露されておらず、クラススイッチ切り替えを起こしていないB細胞受容体が見られた。CAR T細胞治療は十分な耐容性を示し、ごく軽症のサイトカイン放出症候群のみが観察された。これらの結果は、SLEでのCD19 CAR T細胞移入は実行可能で、耐容性があり、有効性が高いことを示唆している。

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