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NFALD:非アルコール性脂肪性肝疾患でのマイクロバイオーム由来エタノール

Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-02016-6

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者の腸内微生物相が、この複雑な疾患の発症と進行を推進するのに十分な量のエタノールを産生しているという仮説を検証するために、我々は前向き臨床研究と介入研究を1件ずつ行った。146人の参加者で、絶食中と混合食試験(MMT)の120分後にエタノールを測定した。37人からなるサブセットと外部検証コホートでは、門脈血中のエタノールが測定された。介入研究では、NAFLD患者10人と、過体重である以外は健康な10人の対照者に対して、選択的アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)阻害剤をMMTの前に注入した。絶食時の末梢血と比較して、門脈血中のエタノール濃度の中央値は187〔四分位範囲(IQR)、17–516〕倍高く、脂肪症が見られない被験者での2.1 mMから、NAFLでの8.0 mM、非アルコール性脂肪性肝炎の21.0 mMまで増加した。ADHの阻害は、NAFLD患者の末梢血エタノール濃度を15倍(IQR、1.6倍–20倍)に増加させたが、この影響は抗生物質投与後に消失した。前向き研究では、乳酸桿菌科(Lactobacillaceae)が食後の血中エタノール濃度との相関を示した〔スピアマンの順位相関係数(ρ)、0.42、P<10−5〕。我々のデータは、初回通過効果が内因性のエタノール産生レベルを分かりづらくしていることを明らかにし、微生物が産生するエタノールが、この極めて広く蔓延している肝疾患の病因に含まれる可能性を示唆している。

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