Article

ハンチントン病:初期のハンチントン病でSEMA4Dを遮断する抗体ペピネマブ ─ 無作為化プラセボ対照第2相試験

Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-01919-8

SIGNAL試験は、ハンチントン病(HD)治療のためにセマフォリン4D(SEMA4D)遮断抗体であるペピネマブを評価する目的で設定された多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第2相試験(no. NCT02481674)である。この試験には、伸長したHD遺伝子を保有し、初期顕性期(EM、n = 179)あるいは後期前駆期(LP、n = 86)にある合計265人が登録され、18か月間にわたる月1回のペピネマブ注入(n = 91 EM、41 LP)あるいはプラセボ注入(n = 88 EM、45 LP)のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付けられた。ペピネマブは一般的に耐容性が良好で、治療中に出現した重篤な有害事象の頻度は比較的低く、EMとLPの両方の参加者を含めて、プラセボ群では9%であったのに対し、ペピネマブ群では5%であった。有効性の複合主要評価項目の指標は、EMコホート内での(1)OTS(one-touch stockings of Cambridge)とペース・タッピング(PTAP)からなる2項目のHD認知機能評価ファミリー、および(2)変化の臨床全般印象度(CGIC)で構成されていた。ベースライン時から17か月の時点までの平均変化(括弧内は95%信頼区間)におけるペピネマブ群とプラセボ群の差は、OTSで−1.98(−4.00, 0.05)(片側P = 0.028)、PTAPで1.43(−0.37, 3.23)(片側P = 0.06)であった。同様に、複合主要評価項目であるCGICについて有意な治療効果は観察されなかったため、この研究は事前に設定された主要評価項目を満たさなかった。しかし、追加の認知機能測定値、磁気共鳴画像法で測定された体積の評価、フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影画像の評価などの他の多くの良好な結果と事後サブグループ分析から、第3相試験を設計する理論的根拠と方向性が示され、EM HDと診断された患者でペピネマブの開発を継続することが奨励された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度