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がん免疫療法:生殖細胞系列DNA複製修復異常の見られる小児でのPD-1阻害への応答のゲノム予測因子

Nature Medicine 28, 1 doi: 10.1038/s41591-021-01581-6

ヒト小児で見られる生殖細胞系列DNAのミスマッチ修復異常(MMRD)もしくはポリメラーゼ校正異常(PPD)が原因のがんでは、変異量やマイクロサテライト挿入–欠失(MS-indel)量がヒトで最も多い。MMRDとPPDから生じるがんは、化学-放射線療法に固有の抵抗性を示すため、一般に致死的である。小児では免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は効果がないことがこれまでの研究で明らかになっているが、我々は、このような患者がMMRDやPPDが原因の過剰な変異を持っていれば、ICI治療後の転帰が改善されるのではないかと考えた。本論文では、国際的コンソーシアムのレジストリー研究を用いて、38人の患者に由来する45の進行性腫瘍あるいは再発性腫瘍に対するICI治療について報告する。大部分の患者で持続的な客観的応答が観察され、3年生存率は41.4%に達した。MMRDとPPDの併存が多い超過剰変異がん(Mb当たり100を超える変異)の応答は高変異量から予測される一方、低変異量(Mb当たり10~100の変異)のMMRD腫瘍の応答は、MS-indelから予測された。さらに、これら両方の機構は共に、神経膠腫などの「免疫学的に冷たい」腫瘍であっても免疫浸潤の増加と関連があり、好ましい応答の一因となっていた。偽性進行(フレア)は一般的に見られ、腫瘍微小環境中および全身的な免疫活性化と関連していた。また、ICI治療が継続されたフレア患者は持続的応答を達成した。この研究は、中枢神経系がんや同時期性がんなど、ICI治療への応答がこれまで知られていなかった腫瘍の患者の生存率の改善を実証しており、免疫療法への持続的応答の予測に変異量とMS-indelが果たす二重の役割を明らかにしている。  

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