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糖尿病:2型糖尿病でのダヌグリプロン(PF-06882961):無作為化プラセボ対照用量漸増反復投与第1相試験

Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01391-w

グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP-1R)のアゴニスト作用は血糖降下と体重減少をもたらすことから、2型糖尿病(T2D)と肥満を治療するための戦略となっている。我々は、経口投与できる小分子GLP-1Rアゴニストであるダヌグリプロン(PF-06882961)を開発した。そして、ヒト化マウスモデルで注射可能なペプチド性GLP-1Rアゴニストと同程度の有効性があることを見いだし、さらにプラセボ対照無作為化二重盲検用量漸増反復投与第1相試験(NCT03538743)を完了した。この臨床試験では、メトホルミンを服用している2型糖尿病患者98人が登録され、28日間にわたってダヌグリプロン用量漸増反復投与を受けるコホート(8つ)あるいはプラセボの投与を受けるコホートに無作為化により割り付けられた。主要評価項目は、有害事象(AE)、安全性についての臨床検査、バイタルサイン、12誘導心電図の評価であった。ほとんどのAEは軽度で、吐き気、消化不良、嘔吐が最も一般的に報告された。群全体にわたって、検査値が臨床的に意味のあるAEは見られなかった。心拍数はダヌグリプロン投与によって28日目の時点で一般的に増加していたが、心拍数のAEは報告されなかった。28日目の時点で、プラセボと比較すると、ダヌグリプロン投与群では収縮期血圧がわずかに低下し、拡張期血圧の変化は同程度であった。心電図については、臨床的に意味のある所見は見られなかった。T2Dでのこの研究では、ダヌグリプロンは一般的に耐容性が良好で、GLP-1Rアゴニスト作用の作用機序と一致する安全性プロファイルを示した。

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