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嚢胞性繊維症:嚢胞性繊維症患者気道の単一細胞分解能での転写解析から明らかになった上皮細胞の状態と組成の変化

Nature Medicine 27, 5 doi: 10.1038/s41591-021-01332-7

嚢胞性繊維症(CF)は致死的な常染色体劣性(潜性)遺伝性疾患で、7万人以上が罹患している。CF患者では、嚢胞性繊維症膜貫通調節タンパク質(CFTR)遺伝子の変異により、極性のある上皮を通過する異常な電解質輸送が原因の多臓器不全が起こる。CF関連の肺疾患は、罹患率と死亡率の最も重要な決定要因である。本論文では、単一細胞トランスクリプトミクスを用いて、CFの末期肺疾患のために移植を受けているCF患者の近位気道(n = 19)とずっと健康である肺ドナーの近位気道(n = 19)の比較により疾患に関連した変化を明らかにした、多施設コンソーシアムからの結果を報告する。観察された疾患依存的な差異には、特殊化した線毛細胞や分泌細胞のサブセットに移行中の上皮細胞が過剰に存在することと、細胞周期中の基底細胞が予想外に減少していたことが含まれる。我々の研究から、近位気道上皮の分子アトラスが得られ、これはCFの気道疾患用の新しい標的療法を開発するための手掛かりをもたらすだろう。 

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