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COVID-19:新型コロナウイルス感染症後の後遺症の特性と予測因子

Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01292-y

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期間持続する症状、いわゆる「新型コロナウイルス感染症後後遺症(long COVID)」についての報告は増えつつあるが、罹患率、リスク因子、また経過の長期化をCOVID-19の初期に予測可能かどうかについてはほとんど分かっていない。我々は、COVID-19の偶発的感染例である4182例からのデータを解析した。このデータは、感染者がCOVID Symptom Study appに症状を前向きに自己申告したものである。全部で558人(13.3%)の参加者が28日以上続く症状を、189人(4.5%)が8週以上続く症状を、95人(2.3%)が12週以上続く症状を報告した。long-COVIDは、倦怠感、頭痛、呼吸困難、嗅覚喪失の症状を特徴とし、加齢あるいはボディマス指数の上昇、性別に関しては女性で発症の可能性が高くなるらしいことが分かった。発症した最初の週に5つ以上の症状を経験することがlong-COVIDと関連付けられた[オッズ比 = 3.53(2.76~4.50)]。発症後7日の時点でshort-COVID(短期コロナ感染症)とlong-COVIDを識別する単純なモデル(総サンプルサイズ、n = 2,149)は、受信者動作特性曲線の曲線下面積が76%であり、この結果は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)陽性の2472人からなる無関係なサンプルで再現された。このモデルは、予防や治療の治験のために、また教育やリハビリテーション・サービスの計画のために、long-COVIDのリスクがある感染者を突き止めるのに使える可能性がある。

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