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COVID-19:ネアンデルタール人由来のOAS1アイソフォームはヨーロッパ系人種のCOVID-19に対する感受性に影響し重症化を防ぐ

Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01281-1

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感受性と重症度に影響を及ぼす循環中タンパク質を明らかにするために、我々は2標本メンデル無作為化(MR)研究を行って、逆の因果関係と交絡によるバイアスを減らしながら、数百の循環中タンパク質を迅速に調べた。1万4134に達する症例と対照120万例中で、OAS1レベルの1標準偏差の増加が、COVID-19による死亡数もしくは人工呼吸器使用数の減少[オッズ比(OR)= 0.54、P = 7 × 10−8]、入院数の減少(OR = 0.61、P = 8 × 10−8)、感受性低下(OR = 0.78、P = 8 × 10−6)に関連することが分かった。504人についてOAS1レベルを測定したところ、非感染状態で血漿OAS1レベルが高いことが、COVID-19の感受性および重症度の低下に関連していることが明らかになった。さらなる解析から、ヨーロッパ系人種ではOAS1のネアンデルタール人由来のアイソフォームがこの防御をもたらすことが示唆された。従って、MRからのエビデンスと症例–対照研究によって、COVID-19の有害転帰におけるOAS1の防御的役割が裏付けられた。OAS1レベルを上昇させる利用可能な薬剤は、薬剤開発での優先順位が上がるだろう。

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