Letter

ゲノム関連解析:希少なコーディングバリアントを電子健康記録を用いてエキソーム規模で評価することにより見つかった遺伝子と表現型の新しい関連

Nature Medicine 27, 1 doi: 10.1038/s41591-020-1133-8

希少な機能喪失バリアントの臨床的影響は、ほとんどの遺伝子についていまだ決定されていない。DNA塩基配列解読データと電子健康記録(EHR)を統合すれば、希少な遺伝的変化のヒト疾患への関わりについての理解が進む可能性がある。我々は、Penn MedicineバイオバンクのEHRデータに結び付けられた1万900の全エキソーム塩基配列を活用することにより、全エキソーム規模で各遺伝子の機能喪失と予測される希少なバリアント群の累積的影響とヒト疾患との関連を、一連の多様なEHR表現型を用いて評価することで明らかにした。我々はExoPheWAS(exome-by-phenome-wide association study)により表現型との有意な関連(P < 10−6)を示す97の遺伝子を見いだした後、そのうち26の遺伝子については、Penn Medicineバイオバンクに加えて他の3つの医療バイオバンクや集団ベースの英国バイオバンクで再現性を確認した。これら26の遺伝子のうち5つはすでに関連が報告されていて、陽性対照であるが、21の遺伝子は表現型との関連がまだ報告されておらず、これらの中には、緑内障、大動脈拡張症、糖尿病、筋ジストロフィー、難聴に関与する遺伝子が含まれていた。これらの知見は、医療バイオバンクのEHR表現型を用いて遺伝子と疾患の新しい関連を突き止めるために、機能喪失と予測される希少なバリアント群を「遺伝子負荷(gene burden)」に統合することの有用性を示している。この手法をもっと多数に適用すれば、希少な遺伝的変化と疾患表現型の間のまだ調べられていない関係を明らかにするのに必要な統計的検出力が得られるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度