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がん:肺がん転移での再生細胞系列と免疫を介した刈り込み

Nature Medicine 26, 2 doi: 10.1038/s41591-019-0750-6

正常な組織再生の基盤である発生過程はがんに関わっているとされてきたが、腫瘍が進行する間および免疫監視の選択圧の下でのこうした過程の活動程度は知られていない。今回我々は、ヒト原発性肺腺がんが、一般的には肺損傷応答時に認められる再生性細胞種の出現と、肺胞および気管支の上皮細胞系列のほとんどの特徴である転写因子群の顕著な非忠実性という特徴を持つことを示す。これとは対照的に、転移細胞では、内胚葉および肺を特定する重要な転写因子であるSOX2およびSOX9が際立って多く発現されていて、幹細胞様から再生性肺上皮前駆細胞状態にわたる、より原始的な転写プログラムを再現していることが分かった。発生のこのような連続性は、マウスモデルでの転移の休眠状態から自然発症にいたる進行段階を反映していて、ナチュラルキラー細胞に対するSOX9依存的抵抗性が見られる。ナチュラルキラー細胞の除去によって誘導される巨視的転移での発生段階特異的制限の喪失は、転移の間の発生的可塑性と免疫を介した刈り込みとの間の動的相互作用の存在を示唆している。

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