Review Article

HIV:臨床における抗HIV-1広範囲中和モノクローナル抗体

Nature Medicine 25, 4 doi: 10.1038/s41591-019-0412-8

多剤併用抗レトロウイルス療法(ART)は、HIV-1感染の治療と予防に大変革をもたらした。ARTは毎日服薬することによって感染を防止し、ウイルスを抑制する。しかし、感染患者でのARTの中断は、DNAに組み込まれたプロウイルスが長期にわたって潜伏するリザーバーのために、ほぼ例外なくウイルス血症のリバウンドをもたらす。従って原則的には、ARTは患者の一生を通じて投与されなければならない。本稿では、抗HIV-1抗体は新たな感染を防ぐのに加えて、ウイルスを排除し、感染細胞を直接殺し、ウイルスに対する宿主免疫を増強可能な免疫複合体を産生するので、免疫療法はARTの代替もしくはアジュバントとなる可能性があると考える最近の前臨床研究と臨床研究について概説する。

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