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がん:PAI-1は16Kプロラクチンの血管新生抑制作用と繊維素溶解促進作用に関わっている

Nature Medicine 20, 7 doi: 10.1038/nm.3552

プロラクチンN末端側断片(16K PRL)は血管新生の障害により腫瘍増殖を阻害するが、その基盤となる機序は分かっていない。本論文では、繊維素溶解を阻害するプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)に16K PRLが結合することを示す。PAI-1は、腫瘍の血管新生や増殖を状況によって促進することが知られている。PAI-1が失われると、16K PRLの抗腫瘍作用と血管新生抑制作用が見られなくなった。16K PRLは、PAI-1–ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(uPA)–uPA受容体(uPAR)という三成分複合体に結合し、それによって抗血管新生作用を及ぼす。16K PRLは、PAI-1の繊維素溶解阻害活性を障害することによってマウスで動脈の血餅融解を促進し、血栓塞栓症を起こりにくくすることが分かった。従って、PAI-1–uPA–uPAR複合体を介したシグナル伝達により、16K PRLは腫瘍の血管新生と増殖を障害し、またPAI-1の抗繊維素溶解活性の阻害によって血栓溶解を促進する。

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