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免疫:インターロイキン8(CXCL8)産生はヒト新生児に特徴的なエフェクターT細胞機能である

Nature Medicine 20, 10 doi: 10.1038/nm.3670

新生児は、環境に急速に曝露されるにもかかわらず、1型ヘルパーT(TH1)細胞の抗細菌および抗ウイルス応答を迅速に誘導することができない。その代わりに、新生児ではTH2応答への偏りが見られ、免疫制御的に機能するだけでなく、炎症性損傷を制限し、また共生細菌の腸への定着を許容すると考えられている。しかし、このような総合的能力を持つのは、比較的少数のT細胞だけである。今回我々は、ヒト新生児における主要なT細胞エフェクター機能は、インターロイキン8(CXCL8)産生であり、それが抗微生物性の好中球とγδT細胞を活性化できることを示す。CXCL8産生は、TH1、TH2およびTH17サイトカインを産生する少数の細胞とは異なるT細胞の抗原受容体による結合によって誘導され、Toll様受容体シグナル伝達によって共刺激を受ける。このようなT細胞は、早産児、特に新生児感染症や重篤な病状を経験している早産児で容易に見出される。対照的に、CXCL8を産生するT細胞は成体ではまれであり、新生マウスではこれと同等の機能は認められなかった。CXCL8産生は、出生直後のTリンパ球は本来的に抗炎症性であるという広く受け入れられている見解を覆すもので、免疫監視、免疫介入(ワクチン接種など)および免疫病理学に関係してくる。この結果はまた、幼児と成人の免疫系の間の質的な違いを明確に示している。

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