Between Bedside and Bench

サイトカイン・ネットワークが炎症を「燃え上がらせる」仕組み:サイトカインに基づく疾患分類へ

Nature Medicine 19, 7 doi: 10.1038/nm.3260

慢性炎症性疾患でどの仲介物質が発症を促進するのかを見極めるのは、込み入っていて難しい場合がある。免疫細胞はさまざまな病原性サイトカインを放出可能であり、サイトカインの多くは、特定の疾患1つを引き起こすこともあるし、多数の疾患を引き起こすこともある。対象とする炎症疾患で中心となる免疫細胞やサイトカインを突き止めたり、個々の疾患に対処する際にどのサイトカインを標的として選べばいいかを判断したりするには、ヒトでの検証に加えて機序の研究が必要になる。BEDSIDE TO BENCHではG Schettたちが、さまざまなサイトカインを対象とするヒトでの臨床試験によって、サイトカインの階層的枠組みの存在が考えられるようになった理由について論じている。この枠組みで定義される慢性炎症性疾患グループの分類は、これまで考えられていた同族分子による疾患分類パターンとは異なっている。BENCH TO BEDSIDEではV KuchrooとD Baetenが、いくつかの自己免疫疾患で薬剤標的となっているインターロイキン17Aの役割を詳しく調べ、臨床治療の成功には、発症経路や、それぞれの炎症性疾患の免疫的状況および組織の状況の理解が必要なことを強調している。

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