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寄生虫症:インフラマソームによるIL-1β産生は、リーシュマニアへの一酸化窒素を介する抵抗性を誘導する

Nature Medicine 19, 7 doi: 10.1038/nm.3221

リーシュマニア属の寄生虫は、ヒトでリーシュマニア症を引き起こす病原体であり、この疾患は全世界で1,200万人以上が罹患している。この仲間の寄生虫はマクロファージ細胞内で増殖し、宿主の抵抗性の基盤となる主要な機序には一酸化窒素(NO)産生がかかわっている。本研究では、Nlrp3インフラマソームはリーシュマニア感染によって活性化され、マクロファージ内およびin vivoの両方でのリーシュマニア増殖の制限に重要であることを示す。このことは、インフラマソームを欠損したマウスにLeishmania amazonensisLeishmania braziliensisおよびLeishmania infantum chagasiを感染させることによって実証された。インフラマソームによるインターロイキン1β(IL-1β)産生は感染に対する宿主抵抗性の出現を促進した。これは、IL-1受容体(IL-1R)とMyD88を介するシグナル伝達が、誘導型一酸化窒素シンターゼ(NOS2)を介するNO産生を引き起こすのに必要かつ十分なためである。本論文では、各種リーシュマニアの感染に対する宿主抵抗性の主要なシグナル伝達基盤を突き止め、 リーシュマニアによって誘導されるNO産生の分子機序を明らかにしている。

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