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がん:ウイルスによるcDNAライブラリー発現ワクチン療法で誘導された広域な抗原性によって、確立した腫瘍を治療する

Nature Medicine 17, 7 doi: 10.1038/nm.2390

効果的ながん免疫療法には、強力な免疫活性化が起こっている状況下で幅広い腫瘍関連抗原が放出されることが必要である。本論文では、正常組織のcDNAライブラリーを高度に免疫刺激性のウイルス・プラットフォームを使って発現させることにより、cDNAライブラリーが得られたのと同じ組織型の確立した腫瘍を治癒できることを示す。至適条件でないワクチン投与では免疫回避が起こるが、免疫を免れた腫瘍細胞は第二選択のウイルス基盤免疫療法で容易に治療される。この手法にはいくつかの重要な利点がある。cDNAライブラリーを使うと広いレパートリーの(未知の)腫瘍関連抗原が提示され、これは治療抵抗性変異体の出現を減らし、臨床で合理的な併用治療を行えるようになる。さらに、ウイルスベクターは全身に送達されるので、腫瘍を標的とする必要がなく、また臨床レベルで生産しやすい。したがって、ウイルスに発現させたcDNAライブラリーは、これまで免疫療法やウイルス療法の有効性を妨げてきた重要な問題点の多くに対処する、がん治療の新しいパラダイムを示している。

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