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異所性骨化:核内レチノイン酸受容体γアゴニストは異所性骨化を強力に阻害する

Nature Medicine 17, 4 doi: 10.1038/nm.2334

異所性骨化には、手術後または外傷後に軟部組織内に生じる異所性の骨形成がある。これは消耗性疾患に至ることがあるが、確実な治療法はない。本論文では、核内レチノイン酸受容体γ(RAR-γ)アゴニストを投与したマウスでは、異所性骨化が本質的に防止されたことを示す。副作用はごく小さく、重大なリバウンドもなかった。このような反応の機序を解明するために、マウスの間葉系幹細胞をRAR-γアゴニストで処理してから、ヌードマウスに移植した。対照群の細胞が異所的に骨塊を形成したのに対して、このRAR-γアゴニストで前処理した細胞は骨塊を形成せず、その骨格形成能が失われたと考えられる。この細胞はin vitro でのrBMP-2処理に反応を示さなくなり、Smad1、Smad5およびSmad8のリン酸化レベルの低下、および全Smadタンパク質濃度の低下が見られた。さらに、RAR-γアゴニストは、アクチビン受容体様キナーゼ2(ALK2)Q207D(この受容体の恒常的活性型のひとつで、進行性骨化性繊維異形成症の患者にみられるALK2 R206Hに近縁である)を発現するトランスジェニックマウスで異所性骨化を阻害した。このデータは、RAR-γアゴニストがマウスモデルでの異所性骨化の強力な阻害物質であることを示しており、したがってこれはヒトでも傷害誘導性および先天性の異所骨化に対して有効かもしれない。

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