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嚢胞腎:腫瘍壊死因子αを介する経路は常染色体優性多発性嚢胞腎を悪化させる

Nature Medicine 14, 8 doi: 10.1038/nm.1783

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、それぞれポリシスチン1 とポリシスチン2をコードする遺伝子であるPKD1またはPKD2のどちらか一方のヘテロ接合性変異により引き起こされる。本論文では、ADPKD患者の嚢胞液に含まれる炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子α(TNF-α)が、TNF-αが誘導する足場タンパク質FIP2を介して、ポリシスチン2の細胞膜と一次繊毛への局在化を妨げることを示す。培養したマウス胎仔腎臓をTNF-α処理すると嚢胞が形成され、Pkd2+/-腎ではこの影響がさらに増強された。TNF-αはまた、Pkd2+/-マウスのin vivoでの嚢胞形成を促進した。それに対し、Pkd2+/-マウスにTNF-α阻害剤エタネルセプトを投与すると、嚢胞形成が妨げられた。これらのデータは、TNF-αシグナル伝達、ポリシスチンおよび嚢胞形成を結びつける経路を明らかにしており、おそらくこの経路の活性化が機能を備えたポリシスチン2を閾値以下に抑え、ADPKDの細胞表現型を促進すると考えられる。

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