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代謝:Creb1のコアクチベーターCrtc1は、エネルギーバランスと受胎能に必要である

Nature Medicine 14, 10 doi: 10.1038/nm.1866

脂肪細胞に由来するホルモンであるレプチンは、Stat3(signal transducer and activator of transcription 3)活性化を引き起こす視床下部のレプチン受容体(Lepr)に作用することでエネルギーバランスを維持する。Lepr-Stat3シグナル伝達の崩壊は、マウスで肥満を促進するが、受胎能などのLeprのこの他の機能は正常と思えることから、別の調節因子の存在が示唆される。本論文では、Crtc1(Creb1(cyclic AMP responsive element-binding protein-1)-regulated transcription coactivator-1)がエネルギーバランスと生殖に必要であることを示す。Crtc1-/-マウスでは食欲過剰、肥満、不妊が認められる。レプチン欠損ob/obマウスでは、視床下部のCrtc1はリン酸化されて不活性であったが、レプチンを投与すると、核内の脱リン酸化されたCrtc1量が増加した。脱リン酸化Crtc1は、CartptおよびKiss1遺伝子の発現を促進した。これらの遺伝子は、満腹と受胎能に対するレプチンの作用を介在する視床下部神経ペプチドをコードしている。視床下部細胞におけるCrtc1の過剰発現は、CartptおよびKiss1遺伝子の発現を増加させたが、Crtc1の欠失は発現を低下させた。実際に、レプチンはLeprを過剰発現する細胞でCartptKiss1のプロモーターに対するCrtc1の働きを亢進させるが、この作用は優性ネガティブCreb1ポリペプチドの発現によって障害される。レプチン投与はCartptおよびKiss1のプロモーターへの視床下部Crtc1の動員を増大させることから、今回の結果は、ホルモンと栄養がエネルギーバランスと受胎能におよぼす中心的な作用を、Creb1-Crtc1経路が仲介していることを示している。

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