Letter

白血病:慢性骨髄性白血病におけるイマチニブ投与の動的モデル構築:機能的考察と臨床的影響

Nature Medicine 12, 10 doi: 10.1038/nm1487

慢性骨髄性白血病(CML)のチロシンキナーゼ阻害剤イマチニブによる治療は、分子を標的とする癌治療法の成功例である。患者の大多数で、症状が進行している場合でも、迅速な血液学的・細胞遺伝学的が誘導される可能性がある。しかし、BCR-ABL1融合タンパク質の発現を特徴とする悪性細胞が完全に消失することはまれである。悪性クローンが残存する原因は現在では不明であり、臨床医学および生物学の重要な問題となっている。本論文では、幅広い現象を定量的に説明する数学的モデルを構築する方法により、イマチニブ投与中のCMLでBCR-ABL1転写物の動態を臨床的に観察した2つの独立のデータセットが共に、イマチニブが増殖性の白血病幹細胞に選択的に影響を与えるとすると説明可能なことを示す。この結果は、イマチニブが悪性クローンを完全に排除する広い能力をもつことを示唆している。またイマチニブの治療有効性は、特定の状況下においては、増殖を促す治療戦略を併用することで加速される場合があると推測される。

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