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造血サイトカイン:G-CSFはヒト骨髄性細胞におけるE-セレクチンリガンドの発現を誘導する

Nature Medicine 12, 10 doi: 10.1038/nm1470

G-CSFの臨床使用では、血管性および炎症性の合併症を発症することがある。我々はこうした影響の分子基盤を検討するために、G-CSFによって動員されるヒトの末梢血白血球(ML)のTNFα刺激により炎症を起こさせた血管内皮への接着について調べた。生理的血流条件下での平行平板測定およびマウス炎症モデルでの生体顕微鏡を用いた実験のどちらからも、動員されない(刺激を受けていない)血液白血球と比較して、MLではE-セレクチン受容体-リガンド間の相互作用の著しい上昇により内皮との接着性相互作用が増大していることが示された。生化学的研究から、MLは強力なE-セレクチンリガンドHCELLや、これまで見つかっていなかった分子量ほぼ65 kDaのE-セレクチンリガンドを発現しており、E-セレクチンリガンドの活性に関連してグリカン修飾を行うグリコシルトランスフェラーゼ(ST3GalIV、FucT-IVおよびFucT-VII)をコードする転写物の量が増加していることが示された。酵素処理および生理的結合実験から、HCELLおよび分子量ほぼ65 kDaのE-セレクチンリガンドは、炎症のある内皮へのG-CSFが誘導する骨髄細胞の接着に大きくかかわっていることが示された。 in vitroで、正常なヒト骨髄細胞を薬物動態学的に適当な濃度のG-CSFで処理するとこれら2種類の分子の発現が増加し、関連するグリコシルトランスフェラーゼをコードする転写物の増加およびE-セレクチン結合の増強が同時に認められた。これらの知見は、骨髄細胞でG-CSFがE-セレクチンリガンドの誘導に果たす役割を示す直接的な証拠となり、G-CSFによる合併症発症の病理生物学的機序への手がかりが得られる。

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