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結核菌ヘパリン結合ヘマグルチニンに対するメチル化依存的T細胞免疫

Nature Medicine 10, 9 doi: 10.1038/nm1090

タンパク質抗原の翻訳後修飾は、一部のB細胞エピトープの重要な要素である可能性があるが、一般的には、T細胞免疫の決定基は修飾されていないペプチドである。本論文では、感染した健康なヒトおよびマウスでは、抗原である結核菌ヘパリン結合ヘマグルチニン(HBHA) に対する効果的なT細胞免疫に、結核菌自体によるHBHAのメチル化が不可欠であることを示す。マウスでは、メチル化HBHAが結核菌の投与に対して高レベルの防御をもたらすのに対し、非メチル化HBHAでは防御効果がない。メチル化HBHAによって誘導される防御免疫は、抗結核菌ワクチンとして唯一使用可能なBCGを用いたワクチン接種によって生じる防御免疫に匹敵するものである。したがって、タンパク質の翻訳後修飾は、結核のような感染症に対するT細胞媒介性防御免疫の誘導能力に非常に重要である可能性がある。

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